『ヨガの八支則』
●第五段階 プラティヤハーラ= 制感 <五感(感情・自己)の調整法>
「制感」とは「感覚を制する」ということです。
アーサナは肉体、プラーナーヤーマは呼吸、そしてプラティヤハーラは感覚の制御と、
だんだんと、目に見えない微細なエネルギーの制御へとステップアップしていきます。
私たちには、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という感覚器官、五感が備わっています。
それらが受けた感覚は、心に大きな影響を与えます。
感覚が、心を動かしてしまうのです。
ヨーガとは、心を制御し、静止させるものです。
その、静止すべき心を乱してしまう「感覚」を、完全に自己の管理下に置くこと。
これが、プラティヤハーラです。
感覚が心を動かすということは、感覚が感情を動かすということです。
つまり、五感は五情(喜怒哀楽恐)と密接にリンクしています。
その五感から、心を引き離すことができれば、感情を動かさずにすみます。
つまり、それが感情を制御することになるのです。
感情を「制御する」ということは、感情を「持たない」とか、
感情を「抑圧する」ということではないのです。
感覚と感情に、振り回されないこと。
五感と五情を、ともに管理すること。
つまりそれは、あらゆる影響に左右されないことを意味します。
これが、プラティヤハーラの段階で求められることです。
プラティヤハーラができれば、誰にも振り回されない、快適な人生を送ることができます。
自分の心の手綱を、自分で握るのです。
ぜひ、自分自身こそが、自分の感覚と感情の主となって、
真の心の自由を手に入れていただけたらと思います。